Flask のテストクライアントをカスタムしてデフォルトのHTTPヘッダを設定する
Flask のテストクライアントをカスタムしてデフォルトのHTTPヘッダを設定する
西田@大阪です
Pythonの軽量フレームワークFlask では自動テストをするためのテストクライアントが用意されています
今回はそのテストクライアントをカスタムして、リクエスト毎にデフォルトのHTTPヘッダを設定する方法をご紹介します
試した環境
- Python 3.6.2
- Flask 1.0.2
やりたいこと
今回はREST APIのテストをします
登場するAPIは以下の2つです
/authenticate
認証を行いaccess_token
を返します/products
商品情報を返します。認証が必要です
/authenticate
のレスポンスに含まれる access_token
を Authorization
ヘッダに含めると/products
にアクセスすることができます。
/auhenticate
リクエスト
{ "username": "user01", "password": "xxxxxx" }
レスポンス
{ "access_token": "xxx.xxxx.xxx" }
/products
Authorization HTTPヘッダに/authenticate
のレスポンスに含まれるaccess_token
を設定することで認証できます
ヘッダ
Authorization: Bearer xxx.xxx.xxx
レスポンス
[ { "id": 123, "name": "サンプル商品01" }, { "id": 124, "name": "サンプル商品02" } ]
実装
カスタムしたtest_clientのクラスを作成します
FlaskClient
を継承して作成します
from flask.testing import FlaskClient class SecuredFlaskClient(FlaskClient): def __init__(self, *args, **kwargs): # 拡張したパラメーターをそのまま FlaskClient の # コンストラクタに渡さないために pop でとりだします access_token = kwargs.pop('access_token') super(SecuredFlaskClient, self).__init__(*args, **kwargs) # FlaskClient.envron_baseに'HTTP_' から始まるキーで値を設定すると、 # Flask(WSGI)に渡すデフォルトのリクエストヘッダーになることを利用して # 初期化時に渡された access_token をリクエスト毎に # Authorization リクエストヘッダに追加します self.environ_base['HTTP_AUTHORIZATION'] = f"Bearer {access_token}"
test_client を返すメソッドを用意します
from flaskr import flaskr # デフォルトのテストクライアントを返します。認証のいらないAPIをテストするのに使います def test_client(): # test_client のクラスをデフォルトのFlaskClientに設定する flaskr.app.test_client_class = None return flaskr.app.test_client() # カスタムされたテストクライアントを返します。認証の必要なAPIをテストするのに使います def secured_test_client(username, password): # 認証を行うAPIを呼び出します rv = test_client().post('/authenticate', json=dict(username=username, password=password)) # test_client のクラスを作成した SecuredFlaskClient に設定する flaskr.app.test_client_class = SecuredFlaskClient # テストクライアントに認証APIのレスポンスの `access_token` を # 渡してインスタンスを生成します return flaskr.app.test_client(access_token=rv.json['access_token'])
さいごに
いかがでしたでしょうか?
もちろん、テストクライアントをカスタムせずに、すべてのテストで認証、認証の必要なAPIの呼び出し、と順番に行えば同じことが実現できますが、コードが冗長になってしまいます
テストクライアントカスタムすれば、認証処理を一箇所にまとめられ変更に強くなり、記述するコード量を減らせておすすめです